どう生きるかで、体に現れる症状が変化する。
僕は早くに父を亡くしてます。
ものごころが付いたころには、既に闘病生活を送っており入退院を繰り返してました。
小学校4年生の時までは、遠くの病院に入院していたのでお見舞いに行くこともなく。
退院して家に帰ってきても、なんかいつもボンヤリしてる感じした。
僕が幼児の頃の写真では、まだ元気そうな姿が映ってるので、発病して間もない頃はそんなに症状もきつくなかったのかもしれませんが、僕の記憶の中には父が元気だった姿はありません。
小学校5年生の時に引っ越しして、そのときに父も近くの病院に転院したので、それから亡くなるまでの1年~2年はほとんど毎日、学校が終わったら病院に会いに行ってました。
最初の頃はまだ父も動けていたのでリハビリに付き添って行ったりしていましたが、しばらくして意識もハッキリしなくなり、痰による窒息を防ぐために吸引機で痰を吸い出すための穴を喉を切開して作りました。
そうすると喉から空気が漏れるので声を出すことが出来なくなります。
(喉の穴を指で塞ぐと声が出ます)
窒息を防ぐためとはいえ、喉を切開して気管が常に外気に曝されているので、当然、感染症にも掛かりやすくなり、そうすると投薬される薬の量もどんどん増えていきます。
体はやせ細り、人相もすっかり変わってしまい。
意識がある時間も1日のうちほんの僅かだけ。
そのほんの僅かな時間でもスムーズに意思の疎通が出来ない。
最期の方は本当に機械で無理矢理生かされているだけにしか僕には見えませんでした。
そんな体験をしたから、僕に何かあった場合、延命措置だけはしないで欲しいと妻に伝えています。
僕の母も僕に同じことを言っています。
家族の想いや医療の可能性などを考えれば何が正しいのかなんて僕にはわかりませんが、僕も母も父の闘病を間近で看て同じ選択をしました。
僕は父の闘病を間近で看させてもらったおかげで、今、この仕事をしています。
幼稚園の頃からずっと医療か福祉の仕事がしたいと思っていました。
でも、医者になりたいと思ったことはありません。
薬や手術による治療の限界をまざまざと見せつけられ、それでも必要な人がいることも
理解しつつ…。
僕がこの仕事で大切にしていることを誤解を恐れずにいえば、お客さんや患者さんの症状を改善させるということよりも、どう生きてもらうかということです。
その人、個人だけの問題ではなくどう生きるかによって、その人の周囲にいる家族や友人などへの影響というのは、ものすごく変わってきます。
それにどう生きるかによって症状が出たり消えたりするとも考えているからです。
症状というのは体からのサインです。
・ちょっと頑張り過ぎてるから少し休みましょう。
・今やってることは本当にやりたいこと?
・食べ物が体に合ってないですよ。
・着る物が体に合ってないですよ。
・水分は足りてますか?
・しっかり睡眠を取りましょうね。
・食べる量が多すぎますよ。
etc...
そんな体からのサインを無視していると、サインがどんどん大きくなっていき、大きな病気やケガとなってやってきます。
僕自身、交通事故で大きなケガをしたときに、それまでの生き方を考え直すチャンスを与えられました。
今から思えばそれまでにも幾度となくサインは来ていたのにも関わらず無視し続けていたんですね。
無視し続けた結果、最終警告のような感じでバイクでトラックに追突し左下腿解放骨折
3カ月の入院、1年半の療養期間を経て身体障害者手帳交付一歩手前の状態での治療打ち切りです。
もし、それでも無視し続けていたら今度はどんなサインがやってきていたのか想像したくないですが、世の中にはそれでもサインを無視する人はたくさんいます。
僕は、体に現れている症状を症状として扱うのではなく、体からのサインとして扱い、それをお客さんや患者さんに伝えることで日常で無理をしていることはないかということを考えてもらいたくて今の施術スタイルになりました。
それが結果として症状の改善に繋がると信じているからです。
症状を単なる症状として捉えて治療をしていくことを選択する治療家や患者さんを否定するわけではありません。
単に、僕は僕の経験の中で症状は体からのサインとして扱い、どう生きるかを考えてもらうために体からのサインを翻訳するという施術スタイルを選択しただけの話です。
それが僕の中でのベストな生き方なんだと感じています。
そして、僕の選んだ生き方を通して
僕のように幼くして親を病気で亡くす子どもを
母のように若くして愛する人を亡くす人を
父のように家族を残して無念の中で亡くなる人を
無くすことが僕がこの仕事で成し得たいことです。
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